出産を終えた後、職場への出産報告は避けて通れない大切な連絡のひとつです。上司や同僚など、相手によって適した言い回しが異なるため、「どのように伝えたらいいのか」「どこまで書いていいのか」と迷う方も少なくありません。
この記事では、職場での出産報告に使える例文をシーン別に紹介し、丁寧かつ失礼のない伝え方を解説します。自身の勤務先だけでなく、夫の職場に連絡をする場面にも活用できる内容です。
メールやチャット、タイミングの工夫なども含め、相手に好印象を与える報告のポイントをまとめました。
- 職場への出産報告にふさわしい例文
- 上司や同僚など相手別の伝え方
- 出産報告のタイミングやマナー
- 写真添付や一斉送信の注意点
出産報告を職場にする時の例文まとめ
●同僚へ送る出産報告の例文
●男性社員が送る出産報告の例文
上司へ送る出産報告の例文
出産報告を上司に伝える際は、丁寧さと簡潔さのバランスが重要です。形式ばらずとも、礼儀をわきまえた表現を心がけましょう。
まずは、出産の報告と母子の無事を伝えるのが基本です。続いて、妊娠中に配慮してもらった感謝の言葉や、今後の育児休業について一言添えるとより丁寧です。
【例文①:標準的で丁寧な出産報告メール】
件名:出産のご報告
〇〇部長
お疲れ様です。〇〇です。
私事で恐縮ですが、
○月○日に第一子となる男の子(女の子)を無事に出産いたしました。
おかげさまで母子ともに健康です。
妊娠中はあたたかいご配慮をいただき、誠にありがとうございました。
今後は育児に専念し、復職に向けて準備を進めてまいります。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
【例文②:やや簡潔なビジネスメール形式】
件名:第一子出産のご報告
〇〇部長
いつもお世話になっております。〇〇です。
○月○日、無事に第一子(男の子/女の子)が誕生いたしました。
おかげさまで母子ともに健康で、順調に回復しております。
これまでのご配慮に深く感謝申し上げます。
今後とも変わらぬご指導を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
【例文③:出産直後〜入院中の早めの報告に】
件名:ご報告(出産について)
〇〇部長
お疲れ様です。〇〇です。
ご報告が遅くなりましたが、○月○日に第一子を出産いたしました。
母子ともに健康です。
入院中のため、取り急ぎメールにてご連絡させていただきました。
改めて状況が落ち着きましたら、詳細をご連絡いたします。
今後ともよろしくお願いいたします。
【例文④:復帰日が未定の方向け】
件名:出産のご報告と今後について
〇〇部長
お世話になっております。〇〇です。
○月○日に第一子(男の子/女の子)を出産いたしました。
おかげさまで母子ともに健康で、現在は入院先で静養しております。
今後につきましては、体調の回復状況や育児環境を見ながら検討しております。
復帰の時期が決まり次第、改めてご相談させていただきたく存じます。
妊娠中から多くのご配慮をいただき、心より感謝申し上げます。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
【例文⑤:育児休業の申請に触れる内容】
件名:出産のご報告および育児休業の申請について
〇〇部長
お疲れ様です。〇〇です。
このたび、○月○日に第一子(男の子/女の子)を無事出産いたしました。
母子ともに健康で、順調に回復しております。
つきましては、以前ご相談させていただいておりました通り、
育児休業の取得を申請させていただきたく存じます。
休業期間や復職のスケジュールなど、
詳細は改めて人事とも調整のうえご報告いたします。
今後とも変わらぬご指導を賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。
同僚へ送る出産報告の例文
同僚への出産報告は、少しくだけた表現でも構いません。ただし、勤務上の関係があるため、最低限の礼儀は守るようにしましょう。
普段から関係が近い同僚であれば、気持ちを込めた報告にしても問題ありません。しかし、テンションが高すぎたり、細かい状況説明が多すぎたりするのは避けるのが無難です。
【例文①:親しい同僚に送るカジュアルな報告】
お疲れさま!
○月○日に、元気な男の子(女の子)を出産しました。
母子ともに健康です!
しばらくは育児に専念することになりますが、
また職場で会えるのを楽しみにしてます。
落ち着いたら写真も送るね〜!
【例文②:仕事では関わりが深いが距離感を保ちたい相手向け】
お世話になっております。〇〇です。
○月○日に第一子を無事出産いたしました。
おかげさまで母子ともに健康です。
在宅勤務や業務のサポートをいただいたこと、改めて感謝しております。
また職場復帰の際には、どうぞよろしくお願いいたします。
【例文③:産休に入る前に業務を引き継いだ相手へのお礼も兼ねて】
○○さん、お疲れさまです!
○月○日に無事、第一子を出産しました。
元気な女の子で、母子ともに順調です。
産休前の引き継ぎではたくさんサポートいただき、
本当にありがとうございました。
また復帰後にご一緒できるのを楽しみにしています!
【例文④:連絡は久しぶりだが報告はしたい同僚向け】
ご無沙汰しています、〇〇です。
私事で恐縮ですが、○月○日に元気な男の子(女の子)を出産しました。
現在は育児に慣れるのに必死ですが、母子ともに元気です。
まずはご報告まで。
また落ち着いたら改めてご連絡させてください。
【例文⑤:チャットやLINEで気軽に送る短文スタイル】
○月○日に出産しました!
元気な女の子です。
母子ともに健康です。
また落ち着いたら会えると嬉しいな〜!
男性社員が送る出産報告の例文
男性社員が出産報告をする際は、自身の出産ではないことから、報告の内容に悩む方も多いかもしれません。ですが、育児休暇や一時的な業務調整が発生するケースもあるため、簡潔で丁寧な報告が必要です。
妻の出産を報告する場合でも、母子の状態や休暇に関する情報、そして支援への感謝を述べることで、受け取る側にも安心感を与えることができます。
【例文①:上司に送るフォーマルな出産報告メール】
件名:出産のご報告
〇〇部長
お世話になっております。〇〇です。
私事で恐縮ですが、○月○日に第一子となる男の子(女の子)が誕生いたしました。
母子ともに健康で、現在は入院中です。
出産に際して勤務調整など多大なるご配慮をいただき、心より感謝申し上げます。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
【例文②:同僚向けのややカジュアルな報告】
お疲れさまです、〇〇です。
○月○日に第一子が生まれました!元気な女の子です。
母子ともに健康で安心しています。
急なお休みをいただくこともあり、ご迷惑をおかけしました。
また落ち着いたらいろいろお話させてくださいね。
【例文③:チャットやLINEで送るシンプルな報告】
ご報告です!
○月○日に無事、第一子が誕生しました(男の子です)。
母子ともに元気です!
バタバタしそうですが、引き続きよろしくお願いします!
【例文④:育児休業取得に触れた丁寧な報告】
件名:出産のご報告と育児休業について
〇〇部長
いつもお世話になっております。〇〇です。
○月○日に、第一子(女の子)が誕生いたしました。
母子ともに健康です。
事前にご相談させていただいていたとおり、
○月○日から育児休業を取得させていただきます。
業務への影響を最小限にできるよう対応いたしますので、
引き続きよろしくお願いいたします。
【例文⑤:部署全体や複数人に向けて送るメッセージ】
皆さんへご報告です!
○月○日、第一子となる男の子が生まれました。
母子ともに元気で、ひと安心しています。
業務中にもかかわらず温かい言葉やサポートをいただき、
本当にありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
【例文⑥:社外の取引先に向けた出産報告の例文】
件名:私事のご報告(出産について)
〇〇株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。
私事で恐縮ですが、○月○日に第一子を授かりました。
おかげさまで母子ともに健康に過ごしております。
出産にともない、一時的に業務対応に遅れが生じる可能性がございますが、
社内で調整のうえ責任をもって対応いたします。
今後とも変わらぬご指導・ご厚情を賜りますよう、
何卒よろしくお願い申し上げます。
【例文⑦:社外の取引先に送る丁寧な出産報告(謝罪+育休期間入り)】
件名:私事のご報告と業務対応について
〇〇株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。
私事で恐縮ですが、○月○日に第一子が誕生いたしました。
おかげさまで母子ともに健康に過ごしております。
突然のご報告となり恐縮ですが、
出産にともない○月○日より育児休業をいただいております。
現時点では○月末頃の職場復帰を予定しておりますが、
状況に応じて調整させていただく場合がございます。
急なお休みとなりご不便をおかけしますことを、
心よりお詫び申し上げます。
社内にて引き継ぎを行っておりますので、
ご相談等ございましたら担当者までご連絡いただけますと幸いです。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
【例文⑧:社内上司・チームメンバー向けの出産報告(謝罪+育休期間入り)】
件名:出産のご報告と育休期間について
〇〇部長(または 皆さま)
お疲れ様です。〇〇です。
○月○日に第一子を出産いたしました。
母子ともに健康で、無事に退院いたしました。
このたびの出産により、急なお休みをいただくこととなり、
ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
育児休業は○月○日まで取得予定で、
復帰に向けての準備を進めてまいります。
業務面では引き継ぎを行っておりますが、
ご不明点等があればいつでもご連絡ください。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
職場で使える出産報告の例文と注意点
●出産報告のベストなタイミングとは
●出産報告は簡潔な文章を意識
●写真添付は相手との関係を考慮
●感謝の気持ちを必ず添える
●一斉送信よりも個別送信が無難
出産報告メールの件名の付け方
出産報告のメールを送る際、件名は一目で内容がわかるようにすることが大切です。件名が曖昧だと、受信者が開封を後回しにする可能性があります。特に職場宛てのメールであれば、ビジネス文書としての体裁を整えることも重要です。
件名の基本は「出産のご報告」や「無事出産いたしました」といった簡潔で丁寧なものです。相手によっては「〇〇(自分の名前)より 出産のご報告」など、誰からの連絡か分かるように工夫するのも有効です。
例えば、以下のような件名が適しています。
- 出産のご報告(〇〇より)
- 無事出産いたしました(ご報告)
- 【ご報告】第一子を出産いたしました
一方で、「赤ちゃん生まれました!」のようなカジュアルすぎる表現や、「緊急」など相手を驚かせる言葉は避けたほうがよいでしょう。
ビジネス上の相手や目上の方に対しては、フォーマルかつ読みやすい件名にすることが信頼感につながります。
出産報告のベストなタイミングとは
出産報告をいつするべきかは、相手との関係性や状況によって異なります。ただし、一般的な目安として知っておくと安心です。
まず、両親や兄弟といった近い家族には、できるだけ出産当日中に伝えるとよいでしょう。母子の無事を早く知らせることで、家族も安心できます。
次に、職場への報告は原則として出産から3日以内が理想です。特に育児休業や手続きが関わる場合、早めの報告が必要になるため、体調が許す限り早めに連絡しておくとスムーズです。自分で連絡が難しい場合は、夫や家族から代理で伝えても問題ありません。
一方、友人や知人への報告は焦らなくても構いません。関係の深さにもよりますが、産後1週間〜1ヶ月以内に報告すれば十分です。出産の知らせを心待ちにしている友人には早めに、それほど親しくない相手には年賀状や暑中見舞いを利用する方法もあります。
出産は人生の一大イベントである一方、体調や生活環境も大きく変わる時期です。無理のない範囲で、失礼のないように報告できるタイミングを見極めましょう。
出産報告は簡潔な文章を意識
出産報告の文章は、伝えたいことが多くても簡潔にまとめることが大切です。特に職場や知人への連絡では、読み手の時間を尊重した文章が好まれます。
文章の中で伝えるべき基本情報は、出産日、赤ちゃんの性別、母子の健康状態、そして感謝の気持ちの4点です。名前や由来などの詳細は、親しい相手にのみ伝えるなど、情報の取捨選択が求められます。
一方で、感情の高ぶりから長文になったり、赤ちゃんの写真を大量に送ってしまうのは避けたいところです。出産直後は気持ちが高ぶりやすい時期でもありますが、相手の立場に立った内容かを見直してから送信するようにしましょう。
写真添付は相手との関係を考慮
出産報告の際に赤ちゃんの写真を添えるかどうかは、相手との関係性によって判断するのが賢明です。誰にでも写真を送ってしまうと、思わぬ誤解や気遣いを生む原因になることもあります。
特に注意したいのは、そこまで親しくない職場の方や、普段あまり連絡を取らない知人への報告です。このような相手に突然写真を送ってしまうと、「反応をしなければ」と気を遣わせてしまうかもしれません。また、子どもに関心のない方や、複雑な事情を抱えている方もいるため、配慮が必要です。
一方で、家族や親しい友人であれば、赤ちゃんの写真は喜ばれる傾向にあります。むしろ「見せてほしい」と言われることも多いため、あらかじめ一枚だけ送るか、希望があれば送るスタンスがちょうどよいと言えるでしょう。
写真を送る際は、背景や服装にも気を配り、清潔感のあるものを選びましょう。赤ちゃんが裸で写っている写真などは、送る相手を問わず避けた方が無難です。
こうして相手の立場に配慮すれば、出産報告を気持ちよく受け取ってもらいやすくなります。
感謝の気持ちを必ず添える
出産報告には、単なる出来事の報告にとどまらず、感謝の気持ちを込めることが大切です。特に職場の方や育児に関わる支援をしてくれた相手には、その気持ちをしっかり伝えることで印象も大きく変わります。
例えば、妊娠中に仕事の調整をしてもらったり、精神的な支えになってくれたりした方には、「おかげさまで安心して出産できました」などの一言を添えるだけで、相手への敬意が伝わります。
また、職場への報告では、「しばらくご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします」といった今後の配慮も忘れずに入れるようにしましょう。感謝の言葉を入れることで、報告自体が丁寧に感じられ、信頼感のあるやり取りになります。
日常的に付き合いのある友人や家族にも、「見守ってくれてありがとう」「気にかけてくれて嬉しかった」などの言葉を加えると、より温かい印象を与えることができます。
感謝は形式的なものでも構いませんが、ほんの一言添えるだけで、相手との関係性を深めるきっかけにもなります。
一斉送信よりも個別送信が無難
出産報告を複数の人に伝える場合、手間を省こうとして一斉送信を選ぶ方もいるかもしれません。しかし、多くの場合、一斉送信は避けた方が無難です。
その理由の一つは、受け取る側が「自分にだけ報告がなかった」と誤解する可能性があることです。特に、他の人との関係性が見える形で送られてきた場合、「なぜあの人には連絡があったのに、自分にはなかったのか」と思われることがあります。
また、メールやチャットの一斉送信では、内容が画一的になりやすく、気持ちが伝わりにくくなってしまいます。名前すら入っていない文面だと、形式的に感じられてしまうこともあります。
一方、個別にメッセージを送ることで、「自分のことを思い出してくれた」と感じてもらいやすくなります。文面を少しだけ変えるだけでも、印象は大きく異なります。
時間はかかりますが、その分相手への配慮が伝わり、良好な関係を築くことにもつながります。数が多い場合は、優先順位をつけて数日に分けて送るのもひとつの手です。丁寧なやり取りを心がけることで、出産報告の印象はよりよいものになります。
出産報告の職場向け例文まとめ
職場での出産報告は、相手や立場に応じた言葉選びが重要です。上司には丁寧で礼儀正しい文面を、同僚には少し柔らかさのある表現を心がけましょう。
報告のタイミングは出産から3日以内が理想ですが、無理のない範囲で構いません。また、出産報告メールでは件名を明確にし、本文では出産日・性別・母子の健康状態・感謝の気持ちを簡潔に伝えるのがポイントです。写真添付や一斉送信は相手を選んで慎重に行いましょう。
復帰予定日や育休取得の有無も必要に応じて明記すると、職場内の理解が得られやすくなります。丁寧で思いやりのある報告が、今後の人間関係や働きやすさにもつながります。