ビジネスやプライベートで誰かに食事をご馳走になったとき、きちんとお礼を伝えることは大切なマナーです。特に、取引先や上司との会食では、感謝の気持ちを丁寧に表すことで信頼関係の構築にもつながります。
本記事では、シーン別に適したお礼のメールやラインの文例を多数ご紹介します。例えば、先輩に少しカジュアルな文面を送りたい場合と、取引先に礼儀正しく伝えたい場合では、言葉選びが大きく異なります。
どのような場面でも「失礼がないように伝えたい」「形式を知っておきたい」という方に向けて、すぐに使える例文とポイントをわかりやすくまとめています。ご馳走になったあとの一通のメッセージが、良好な関係を築くきっかけになるはずです。
- 食事をご馳走になった際の基本的なお礼のマナー
- 上司・先輩・取引先別のお礼メールやラインの文例
- 丁寧な文章の書き方と注意点
- シチュエーションごとの適切な言葉選び
食事でご馳走になった時のお礼メールの書き方
●上司にご馳走になった際の丁寧なメール文例
●先輩へのお礼メールの文例
●食事のお礼メールに入れるべき感謝の一文
●お礼メールのタイミングとマナー
取引先に食事をご馳走になった時のメール例文
取引先との会食でご馳走になった際は、丁寧かつ誠意あるメールを早めに送ることが大切です。特に仕事上の信頼関係を築く場である以上、言葉遣いやタイミングには十分配慮しましょう。
まず件名は「会食のお礼」や「昨晩の御礼」など、内容が一目でわかるものにします。そして本文では、会食の時間をいただいたことへの感謝を冒頭に述べ、会話や料理について触れたうえで、お礼の言葉を重ねると丁寧な印象になります。
【基本】取引先に会食に招かれたときのお礼メール
件名:昨晩の会食のお礼
〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様
平素より大変お世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。
昨晩はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。
美味しいお食事とともに、貴重なお話を伺うことができ、
大変有意義なひとときを過ごさせていただきました。
また、すっかりご馳走になってしまい、重ねて御礼申し上げます。
今後とも、より良い関係を築いてまいりたく存じますので、
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
取り急ぎ、メールにて御礼申し上げます。
【手土産あり】会食でお土産までいただいたときのお礼メール
件名:会食とお心遣いのお礼
〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様
いつも大変お世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。
昨晩は素晴らしい会食の機会をいただき、誠にありがとうございました。
どのお料理も美味しく、また、〇〇様のお話もとても興味深く、
大変充実した時間を過ごすことができました。
さらに、贅沢なお土産まで頂戴し、恐縮するとともに深く感謝しております。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
まずはお礼まで、メールにて失礼いたします。
【初対面】初めてお会いする取引先との会食後のお礼メール
件名:昨晩の御礼(初めてのご挨拶を兼ねて)
〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様
初めてご連絡差し上げます。〇〇株式会社の〇〇と申します。
昨晩は会食の場にお招きいただき、誠にありがとうございました。
初対面にもかかわらず、あたたかく迎えていただき、大変感激いたしました。
お食事も非常に美味しく、〇〇様の幅広いお話から多くの学びを得ることができました。
今後ともご指導のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
取り急ぎ、メールにて御礼申し上げます。
なお、返信を催促しないよう「ご返信には及びません」と添える配慮も好まれます。
上司にご馳走になった際の丁寧なメール文例
上司にご馳走になった場合は、感謝と敬意をしっかりと伝える丁寧なメールが望まれます。ビジネスの一環としての会食であっても、私的な支払いが発生しているため、礼儀を欠かすべきではありません。
このとき重要なのは、形式的な感謝だけでなく、具体的にどんな点が印象に残ったのかを述べることです。これにより「しっかりと受け止めている」という誠意が伝わります。
【部署全体での懇親会】上司が開催・支払いしてくれた場合
件名:昨晩の懇親会、ありがとうございました
〇〇部長
お疲れ様です。〇〇です。
昨晩はお忙しい中、〇〇部の懇親会を開催していただき誠にありがとうございました。
落ち着いた雰囲気の中で美味しい料理をいただき、
同僚ともリラックスして交流できたことを嬉しく思っております。
また、すっかりご馳走になってしまい、大変恐縮しております。
本日直接お礼を申し上げる機会がなかったため、まずはメールにて失礼いたします。
今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。
【個別に誘ってもらったとき】上司から食事に誘われた際のお礼
件名:昨晩の食事、ありがとうございました
〇〇課長
お疲れ様です。〇〇です。
昨晩はご多忙の中、お時間をいただきありがとうございました。
また、美味しいお料理をご馳走になり、重ねて御礼申し上げます。
普段の業務中にはなかなか伺えない貴重なお話を聞かせていただき、
大変参考になりました。
いただいたお言葉を胸に、これからも仕事に励んでまいります。
取り急ぎ、メールにてお礼申し上げます。
【仕事の相談ついでの会食】助言をもらった際の感謝を含めて
件名:昨晩はありがとうございました
〇〇部長
お疲れ様です。〇〇です。
昨日はお忙しい中、お時間を割いていただきありがとうございました。
また、お食事までご馳走になり、誠に恐縮でございます。
仕事の悩みにも丁寧に耳を傾けていただき、おかげさまで気持ちが整理されました。
アドバイスをもとに、より良い方向に進めるよう努めてまいります。
直接お伝えできる機会がないため、メールにて恐縮ですが御礼申し上げます。
メールのトーンはかしこまりすぎず、かといって軽すぎないことが重要です。
先輩へのお礼メールの文例
先輩へのお礼メールでは、丁寧さと親しみのバランスが大切です。上司に対するようなかしこまりすぎた文章は距離を感じさせてしまう一方、あまりにもくだけた表現はビジネス上のマナーとして適切とはいえません。
まずは素直に食事へ誘ってくれたことや、お金を出してくれたことへの感謝を伝えましょう。さらに、会話の中で印象に残ったことや楽しかった点に触れることで、温かい印象を残すことができます。
【飲み会の幹事をしてくれた場合】
件名:昨日はありがとうございました
〇〇先輩
お疲れさまです。〇〇です。
昨日は飲み会の幹事を務めてくださり、本当にありがとうございました。
素敵なお店でとても楽しい時間を過ごすことができ、感謝の気持ちでいっぱいです。
普段あまり話せない方とも交流できて、リフレッシュになりました。
幹事の準備など大変だったと思いますが、
〇〇先輩のおかげで良い会になったと感じています。
またご一緒できるのを楽しみにしています。
【ご飯に連れて行ってもらった場合】
件名:お食事ごちそうさまでした
〇〇先輩
お疲れさまです。〇〇です。
本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。
また、美味しいお食事までご馳走になってしまい、恐縮しております。
お店の雰囲気も素敵で、リラックスしてお話ができ、とても楽しいひとときでした。
次はぜひ私からもお返しさせてください!
本日は本当にありがとうございました。
【仕事の相談に乗ってくれた場合】
件名:昨日はありがとうございました
〇〇先輩
お疲れさまです。〇〇です。
昨日は、遅くまで仕事の相談に乗っていただき、本当にありがとうございました。
アドバイスをいただいたおかげで、方向性が見えたように感じています。
先輩の経験談もとても励みになりました。
またご飯までご馳走になってしまい、重ねて感謝申し上げます。
今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。
相手との関係性に応じて文章の堅さを調整し、形式的すぎない心のこもった言葉を選びましょう。
食事のお礼メールに入れるべき感謝の一文
食事のお礼メールにおいて、心に残る感謝の一文を入れるかどうかで印象が大きく変わります。ただ単に「ありがとうございました」と書くだけでなく、相手の気遣いや食事の内容に触れた言葉を添えることで、より丁寧な印象になります。
例えば、次のような一文は多くの場面で活用できます。
・「すっかりご馳走になってしまい、恐縮しつつも嬉しく思っております」
・「素晴らしいお料理と温かいお心遣いに、深く感謝いたします」
これらの表現は相手の気持ちに寄り添った感謝を示すのに適しています。
一方で、注意すべきなのは「ご馳走さまでした」のみで終わらせてしまうことです。ビジネスメールでは少しカジュアルすぎる印象を与えてしまうため、文脈に応じた言葉選びが求められます。
お礼メールのタイミングとマナー
お礼メールを送るタイミングは、会食後できる限り早いほうが良いとされています。基本的には、当日中か遅くとも翌日の午前中までには送るのが望ましいです。
ただし、会食が深夜に及んだ場合などは、相手に配慮して翌朝に送るようにしましょう。深夜のメールは、通知音などで迷惑になる可能性もあるため避けるのがマナーです。
加えて、お礼メールに返信を期待するような表現は控えましょう。「ご返信には及びません」といった一文を加えておくと、相手の負担を減らすことができます。
また、件名は「お礼」「会食」「昨晩」など、ビジネスと無関係なことがひと目でわかる形にするのがポイントです。
時間を守り、気遣いのある文面にすることで、丁寧な印象を与えるだけでなく、良好な関係を継続することにもつながります。
食事でご馳走になった時のお礼ラインの文例集
●上司へのお礼ラインにふさわしい文面
●先輩へのカジュアルなお礼ライン文例
●食事の感想を交えたお礼ラインの例文
●ご馳走になった翌日のラインの文例
●お礼ラインに添えると好印象な一言
●ラインでのお礼に返信がきた時の対応
取引先にラインで送るお礼の注意点
取引先にラインでお礼を伝える場合は、メールとは違った注意点があります。もっとも大切なのは、ビジネス上のやりとりであるという意識を持ち続けることです。ラインは手軽な連絡手段ではありますが、気軽さがかえって失礼に受け取られるリスクもあります。
まず、絵文字やスタンプの使用は避けたほうが無難です。普段から親しい関係であっても、仕事に関する会食や接待の場に関しては、あくまでフォーマルな姿勢を保ちましょう。
次に、送信する時間帯にも配慮が必要です。深夜や早朝の送信は避け、業務時間内かその直前後が適しています。また、文章は簡潔で丁寧にまとめ、言葉選びには慎重になりましょう。
最後に、返信を必要としないことを伝えると相手への負担を減らせます。「お返事は不要です。お気遣いなさいませんように」と一言添えることで、印象も良くなります。
上司へのお礼ラインにふさわしい文面
上司にラインでお礼を伝えるときは、簡潔でありながらも礼儀正しい言葉遣いを心がけましょう。文字数が短くなるからこそ、丁寧な表現がより重要になります。
【会食に誘ってもらったとき】
〇〇部長
昨晩はご多忙の中、お時間をいただきありがとうございました。
また、おいしいお食事までご馳走になり、重ねて御礼申し上げます。
普段の業務では伺えないようなお話を聞けて、大変勉強になりました。
本日直接お礼をお伝えできないため、LINEでのご連絡をお許しください。
今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。
【懇親会を開いてくれたとき】
〇〇課長
昨晩は懇親会を開いていただき、ありがとうございました!
部の皆さんと交流できる貴重な機会をいただき、感謝しております。
料理も美味しく、とても楽しい時間を過ごすことができました。
またぜひご一緒させていただけたら嬉しいです。
本日はLINEで失礼いたします。
【仕事の相談に乗ってくれたとき】
〇〇部長
本日はお忙しい中、親身にご相談に乗っていただきありがとうございました。
丁寧にアドバイスをいただけたおかげで、悩みがかなり整理されました。
さらにご馳走にまでなってしまい、恐縮しております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
どの文例も、「丁寧さ」「感謝の伝わりやすさ」「LINEというカジュアルさ」のバランスを意識した構成になっています。
先輩へのカジュアルなお礼ライン文例
先輩に対しては、敬意を忘れずに、ややフランクな表現でお礼を伝えると自然です。ラインならではの気軽さを活かしつつ、きちんとした印象を残せる文面が望ましいでしょう。
【飲みに連れて行ってくれたとき】
昨日はありがとうございました!
おいしいお店に連れて行ってもらえてめっちゃ嬉しかったです!
〇〇先輩のお話もすごく面白くて、時間があっという間でした。
またご一緒できたら嬉しいです!
今度は僕がお店探しますね!
【ランチをご馳走になったとき】
今日はランチごちそうさまでした!
お店も雰囲気よくて、料理も最高でした〜!
〇〇先輩のさりげない気配り、ほんとに勉強になります。
今度は僕からお返しさせてくださいね!
【プライベートの相談に乗ってくれたとき】
昨日は遅くまでありがとうございました!
話を聞いてもらえて、めちゃくちゃ心が軽くなりました。
〇〇先輩の言葉、すごく刺さりました…。
また相談させてください!ごはんもごちそうさまでした!
これらの文例は、ややくだけたトーンでありながらも先輩への敬意と感謝が伝わるバランスを意識しています。
食事の感想を交えたお礼ラインの例文
お礼のラインに食事の感想を添えることで、相手への気遣いや丁寧な印象を与えることができます。単に「ありがとうございました」だけでは味気ない印象を残してしまうため、具体的な内容に触れることが大切です。
【取引先との会食後に送る場合】
〇〇様
昨晩は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
落ち着いた雰囲気のお店で、料理もひとつひとつ丁寧で本当に美味しかったです。
特に〇〇料理は初めての味わいで感動いたしました。
また、お話もとても勉強になり、有意義な時間を過ごすことができました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
【上司とのランチ後に送る場合】
〇〇課長
本日はランチにお付き合いいただき、ありがとうございました!
パスタ、とても美味しかったですね。あのお店の落ち着いた雰囲気も好きでした。
課長からのお話も参考になることばかりで、午後からも頑張れそうです。
次回はぜひ私からご案内させてください!
【先輩とのディナー後に送る場合】
〇〇先輩
今日はお疲れさまでした!
そして、素敵なお店でのディナーごちそうさまでした〜!
あの前菜からメインまで、全部おいしくてびっくりしました。
先輩とのお話も楽しくて、めちゃくちゃリフレッシュできました!
またぜひご一緒させてください!
文例は、シーンごとにトーンを変えてあり、感謝と料理の印象をバランスよく伝えられる内容になっています。
ご馳走になった翌日のラインの文例
会食後すぐにお礼ができなかった場合でも、翌日中には感謝の気持ちをラインで伝えるようにしましょう。少し遅れたとしても、誠意を込めて送ればマナー違反とはなりません。
【上司に送る場合】
〇〇課長
おはようございます。昨日はお忙しい中、
貴重なお時間をいただきありがとうございました。
お食事もとても美味しく、課長のお話も大変参考になりました。
本日お会いする機会がないため、LINEにて失礼いたします。
またぜひご一緒させてください。今後ともよろしくお願いいたします。
【取引先に送る場合】
〇〇様
おはようございます。〇〇株式会社の〇〇です。
昨晩はお忙しい中、お時間をいただき、誠にありがとうございました。
どのお料理も美味しく、貴重なお話も伺えて大変有意義なひとときでした。
ご馳走になった上に温かいおもてなしまでいただき、深く感謝申し上げます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
【先輩に送る場合】
〇〇先輩
昨日はごちそうさまでした!
料理もめちゃくちゃ美味しかったし、いろいろお話できてすごく楽しかったです!
またぜひご一緒させてください〜!
次は僕がご案内しますね!
どの文例も、「翌日ならではのタイミング感」と「感謝の気持ち」が伝わる内容になっています。
お礼ラインに添えると好印象な一言
お礼ラインを送る際には、感謝の言葉に加えて、ひとこと添えるだけで印象がぐっと良くなります。相手の心に残りやすくなるため、ビジネス・プライベート問わず関係性を深めるきっかけになります。
たとえば、以下のような一言を加えると、感謝の気持ちがより伝わります。
-「今度はこちらからお誘いさせてくださいね」
-「昨日の話、とても参考になりました」
-「お店の雰囲気も素敵で印象に残っています」
このような表現は、食事だけでなく会話や相手の配慮に対する感謝も含まれているため、丁寧な印象を与えることができます。
また、「お返事はお気遣いなさらずに」などと添えておくと、返信の負担を減らす配慮にもなり、相手にとっても安心できるメッセージになります。
言い回しを工夫するだけで、相手に好感を持ってもらえる可能性が高まります。形式的な文面だけで終わらせず、ひとつプラスすることを意識してみてください。
ラインでのお礼に返信がきた時の対応
お礼のラインに対して返信をもらった場合、その対応に迷う方も少なくありません。何度もやり取りを続けるのは避けたいけれど、無視するのも気が引ける。そんなときは、簡潔で温かみのある返事を一度だけ返すのが良い対応です。
たとえば、「ご丁寧にありがとうございます」といった言葉に対しては、
-「恐縮です。こちらこそありがとうございました」
など、やわらかいトーンで一言添えるだけで十分です。
ただし、関係性によっては返信しない方が好まれることもあります。特にビジネスシーンでは「お返事は不要です」と先に書いておくことで、返信が来た場合でも一往復で済ませることができます。
もしさらに返信を続ける必要があると感じた場合でも、やりとりが長引かないよう「またの機会を楽しみにしております」と締めくくり、会話を自然に終える工夫をしてみてください。
やりとりを円滑に終える配慮こそが、相手への思いやりといえるでしょう。
食事でご馳走になった際のお礼はメールやラインで丁寧に伝える
食事をご馳走になった際は、感謝の気持ちを早めに伝えることが大切です。ビジネスシーンでは、基本的にメールでのお礼が望ましく、件名や言葉遣いに配慮することで信頼関係の構築にもつながります。
上司や先輩、取引先など、相手によって文面のトーンを調整することも重要です。一方、ラインは手軽ですが、スタンプや絵文字を避けるなど礼儀正しさが求められます。お礼の文面には、食事の感想や相手の気遣いに触れた一文を添えると印象が良くなります。
どちらの手段でも、「お返事は不要です」など相手への配慮を忘れずに、タイミングよく心のこもったメッセージを送りましょう。