ビジネスの場で人を紹介してもらったとき、最初のメールは相手との関係を築くうえで大切な第一歩となります。紹介者の信頼を受けてつながる相手だからこそ、丁寧で誤解のないやり取りが求められます。
しかし、どのように書き出せばよいか、どの程度の敬語を使えばよいか迷う方も少なくありません。
この記事では、紹介してもらったときに送る最初のメールに必要な基本マナーや、相手別・状況別の文例をわかりやすくまとめています。ビジネスシーンで使える実践的な書き方を知っておけば、初めての相手にも安心して連絡を取ることができます。
円滑なやり取りを始めるための参考にしてください。
- 紹介してもらったときのビジネスメールの基本マナー
- 最初のメールで盛り込むべき内容と書き方の流れ
- 上司・身内・社内・社外など相手別の注意点
- シチュエーション別に使える具体的なメール文例
紹介してもらったときのビジネスメール基本マナー
●ビジネスメールで避けたいNG表現
●上司から紹介してもらった場合の書き方ポイント
●身内に紹介してもらった場合の注意点
●社内と社外で異なるメールマナー
紹介された人への最初のメールの書き方
紹介された相手に送る最初のメールは、第一印象を決める大切な場面です。最初に「どなたから紹介を受けたのか」を明記し、その上で簡潔に自分の名前や所属を伝えることで安心感を与えられます。文面は長くしすぎず、要点をまとめることが重要です。
例えば、「○○様よりご紹介いただきました△△と申します」と書き始め、次に連絡した目的やお願いしたい内容を一文で伝えると読みやすくなります。最後には「今後ともよろしくお願いいたします」といった丁寧な結びを添えることで、相手に配慮した印象を与えられます。
ビジネスメールで避けたいNG表現
紹介メールでは、誤解を与える表現や不必要にフランクな言い回しは避けるべきです。たとえば、絵文字や「よろしくです」といったカジュアルすぎる言葉はビジネスシーンには不向きです。また、長文で背景を詳しく説明しすぎると、相手に負担をかけてしまいます。
さらに、紹介者への感謝を省略するのも印象を悪くする要因です。「○○様よりご紹介いただきました」の一文を入れることで紹介のつながりを明確にできます。メールは短くても丁寧で、誤字脱字がないかを必ず確認してから送るようにしましょう。
上司から紹介してもらった場合の書き方ポイント
上司から紹介された場合は、通常のビジネスメールよりも一層丁寧さが求められます。冒頭で「○○部長よりご紹介いただきました△△と申します」と、上司の名前と役職をしっかり記載することが信頼につながります。
また、自分の立場や担当業務を簡潔に伝えることで、相手が安心してやり取りを始められます。内容は要点をまとめ、余分な自己アピールは避けた方が無難です。
最後に「上司からのご紹介をいただき、大変光栄に存じます」といった一文を加えると、紹介を重視している姿勢が伝わり、より好印象になります。
身内に紹介してもらった場合の注意点
身内からの紹介であっても、ビジネスの場では私的な関係を前面に出さないことが大切です。冒頭では「○○(親族名)よりご紹介いただきました△△と申します」と簡潔に触れる程度にとどめ、その後は通常のビジネスメールと同じ形式で書くことが望まれます。
例えば、挨拶・自己紹介・連絡の目的を順序立てて書くと、相手にとって読みやすく信頼につながります。紹介元が身内であるからといって砕けすぎた言葉を使うと、ビジネスの場にふさわしくない印象を与えかねません。
特に初めて連絡する際は、家族関係や私的なエピソードに触れず、あくまで仕事上のやり取りに集中する姿勢を示すことが重要です。
社内と社外で異なるメールマナー
社内向けと社外向けのメールでは、求められる丁寧さに違いがあります。社内の場合は「○○さんからご紹介いただきました」と平易な言葉を使っても問題ありませんが、社外の場合は「○○様よりご紹介をいただきました」とより丁寧な表現を心がける必要があります。
また、社内メールでは要件を簡潔にまとめることが優先されますが、社外メールでは冒頭に感謝の一言を添え、署名も正式な形式で整えるのが適切です。さらに、社外宛ての場合は誤字や敬称の誤りが信用に直結するため、送信前の確認を徹底することが欠かせません。
このように、同じ「紹介してもらったメール」でも、相手が社内か社外かによって文面の調整を行うことが信頼関係の構築につながります。
紹介してもらった場面別ビジネスメール例文集
●上司に紹介された人へのメール例文
●身内から紹介された人へのメール例文
●社内の人を紹介してもらった場合のメール例文
●社外の人を紹介してもらった場合のメール例文
●社取引先から紹介してもらった場合のメール例文
紹介された人への最初のメール例文
紹介を受けた直後のメールは、挨拶と自己紹介を簡潔に伝えることが基本です。
① 一般的な紹介メール(初めての連絡)
件名:○○様よりご紹介いただきました△△と申します
○○様
はじめまして。○○様よりご紹介いただきました、△△株式会社の△△と申します。
このたびはご縁をいただき、誠にありがとうございます。
ぜひ一度お話の機会をいただければと存じます。
ご多忙のところ恐れ入りますが、ご都合のよろしい日時をお知らせいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
――――――――――
△△株式会社
氏名
電話番号 / メールアドレス
② 上司から紹介された場合
件名:○○部長よりご紹介いただきました△△です
○○様
お世話になっております。△△部長よりご紹介をいただきました、△△と申します。
現在は□□を担当しており、今回の件についてお話しさせていただきたくご連絡差し上げました。
ご都合に合わせてお時間を頂戴できれば幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
――――――――――
△△株式会社
氏名
電話番号 / メールアドレス
③ 身内から紹介された場合
件名:○○(親族名)よりご紹介いただきました△△です
○○様
はじめまして。○○(親族名)よりご紹介いただきました、△△と申します。
このたびはお時間をいただき、誠にありがとうございます。
業務に関してご相談させていただきたく、ご連絡いたしました。
お手数をおかけいたしますが、ご調整いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
――――――――――
△△株式会社
氏名
電話番号 / メールアドレス
④ 社内の人を紹介された場合
件名:○○さんよりご紹介いただきました△△です
○○さん
お疲れさまです。○○さんよりご紹介いただきました△△です。
□□の件で一度ご相談できればと思い、ご連絡いたしました。
お忙しいところ恐縮ですが、ご確認いただけますと助かります。
よろしくお願いいたします。
――――――――――
△△部 △△
内線番号 / メールアドレス
⑤ 社外の人を紹介された場合
件名:○○様よりご紹介いただきました△△でございます
○○様
はじめまして。○○様よりご紹介をいただきました、△△株式会社の△△と申します。
このたびご縁をいただき、心より感謝申し上げます。
□□の件につきまして、ご相談させていただきたく存じます。
ご都合のよろしい日時をお知らせいただけますと幸いです。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
――――――――――
△△株式会社
氏名
電話番号 / メールアドレス
上司に紹介された人へのメール例文
上司から紹介された相手には、冒頭で必ず役職や氏名を記載し丁寧さを意識します。
① 上司から取引先を紹介された場合
件名:○○部長よりご紹介いただきました△△です
○○様
はじめまして。○○部長よりご紹介いただきました、△△株式会社の△△と申します。
このたびはご縁をいただき、大変ありがたく存じます。
□□の件につきまして、一度お打ち合わせのお時間を頂戴できれば幸いです。
ご多用のところ恐れ入りますが、ご都合のよろしい日時をお知らせいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
――――――――――
△△株式会社
氏名
電話番号 / メールアドレス
② 上司から社外の専門家を紹介された場合
件名:○○部長よりご紹介いただきました△△でございます
○○様
お世話になっております。△△部長よりご紹介いただきました、△△と申します。
現在□□を担当しており、今回ご相談させていただきたくご連絡いたしました。
お忙しい中恐縮ですが、もしご都合のよいお時間がございましたら
ご教示いただけますと幸いです。
ご多用のところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
――――――――――
△△株式会社
氏名
電話番号 / メールアドレス
③ 上司から別部署の社内担当者を紹介された場合
件名:○○部長よりご紹介いただきました△△です
○○さん
お疲れさまです。○○部長よりご紹介いただきました△△です。
□□の件についてご相談したく、ご連絡いたしました。
お時間をいただけるようでしたら、都合の良い日時を教えていただけますと助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。
――――――――――
△△部 △△
内線番号 / メールアドレス
身内から紹介された人へのメール例文
身内を介した紹介であっても、ビジネス上のやり取りでは公私を分けて丁寧な表現を用いることが大切です。
① 身内を通じて取引先を紹介された場合
件名:○○よりご紹介いただきました△△と申します
○○様
はじめまして。○○(親族名)よりご紹介いただきました、△△株式会社の△△と申します。
このたびはご縁をいただき、誠にありがとうございます。
□□に関してご相談させていただきたく、ご連絡差し上げました。
ご都合のよろしい日時をお知らせいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
――――――――――
△△株式会社
氏名
電話番号 / メールアドレス
② 身内から社外の専門家を紹介された場合
件名:○○よりご紹介いただきました△△でございます
○○様
お世話になっております。○○(親族名)よりご紹介いただきました、△△と申します。
現在□□を担当しており、今回の件につきましてぜひご相談させていただければと存じます。
大変お忙しい中恐縮ですが、ご都合のよろしい日時をお知らせいただければ幸いです。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
――――――――――
△△株式会社
氏名
電話番号 / メールアドレス
③ 身内から社内の別部署の人を紹介された場合
件名:○○よりご紹介いただきました△△です
○○さん
お疲れさまです。○○(親族名)よりご紹介いただきました△△です。
□□の件で一度ご相談させていただきたく、ご連絡しました。
お時間をいただけるようでしたら、ご都合のよいタイミングを教えていただけると助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。
――――――――――
△△部 △△
内線番号 / メールアドレス
社内の人を紹介してもらった場合のメール例文
社内の紹介メールは、社外ほど形式ばらずに済みますが、礼儀を守った表現が必要です。
① 別部署の担当者を紹介してもらった場合
件名:○○さんよりご紹介いただきました△△です
○○さん
お疲れさまです。○○さんよりご紹介いただきました△△です。
□□の件についてお話を伺いたく、ご連絡いたしました。
お手すきの際にご都合のよい時間を教えていただけますと助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。
――――――――――
△△部 △△
内線番号 / メールアドレス
② プロジェクトメンバーを紹介してもらった場合
件名:○○さんからご紹介いただきました△△です
○○さん
はじめまして。○○さんよりご紹介いただきました△△です。
今回の□□プロジェクトについて、一度情報交換させていただければと存じます。
ご都合の良い時間を教えていただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
――――――――――
△△部 △△
内線番号 / メールアドレス
③ 上司を通じて社内の担当者を紹介してもらった場合
件名:○○課長よりご紹介いただきました△△です
○○さん
お疲れさまです。○○課長よりご紹介いただきました△△です。
□□についてご相談させていただきたく、ご連絡差し上げました。
ご多忙のところ恐れ入りますが、都合のよいタイミングを教えていただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
――――――――――
△△部 △△
内線番号 / メールアドレス
社外の人を紹介してもらった場合のメール例文
社外の相手に向けた紹介メールは、社内よりも一段丁寧な表現が必要です。
① 取引先を紹介してもらった場合
件名:○○様よりご紹介いただきました△△と申します
○○様
はじめまして。○○様よりご紹介いただきました、△△株式会社の△△と申します。
このたびはご縁をいただき、誠にありがとうございます。
□□に関して一度ご相談させていただきたく、ご連絡差し上げました。
ご都合のよろしい日時をお知らせいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
――――――――――
△△株式会社
氏名
電話番号 / メールアドレス
② 業務提携を前提とした相手を紹介してもらった場合
件名:○○様よりご紹介をいただきました△△でございます
○○様
お世話になっております。○○様よりご紹介をいただきました、△△株式会社の△△と申します。
現在□□の事業を担当しており、今回ご紹介いただいた件についてお話しできればと存じます。
お忙しいところ恐縮ですが、ご都合のよろしい日時をご教示いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
――――――――――
△△株式会社
氏名
電話番号 / メールアドレス
③ 上司を通じて社外の専門家を紹介してもらった場合
件名:○○部長よりご紹介いただきました△△です
○○様
はじめまして。○○部長よりご紹介いただきました、△△と申します。
□□についてご相談させていただきたく、ご連絡差し上げました。
大変ご多用のところ恐れ入りますが、ご都合のよろしい日時をお知らせいただけますと幸いです。
引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
――――――――――
△△株式会社
氏名
電話番号 / メールアドレス
取引先から紹介してもらった場合のメール例文
取引先からの紹介は、紹介者の信用も背景にあるため、必ず「どなたから紹介を受けたのか」を冒頭に明記し、敬意を示すのがポイントです。
① 新しい取引候補を紹介してもらった場合
件名:○○様よりご紹介いただきました△△と申します
○○様
はじめまして。△△株式会社の△△と申します。
このたびは、□□株式会社の○○様よりご紹介をいただき、ご連絡いたしました。
□□について一度ご相談させていただければと存じます。
ご多用のところ恐れ入りますが、ご都合のよろしい日時をお知らせいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
――――――――――
△△株式会社
氏名
電話番号 / メールアドレス
② 既存業務の関連先を紹介してもらった場合
件名:○○様からご紹介をいただきご連絡いたしました
○○様
お世話になっております。△△株式会社の△△と申します。
□□株式会社の○○様よりご紹介をいただき、メールを差し上げました。
現在□□業務を担当しており、今回の件について情報交換させていただければと考えております。
恐れ入りますが、ご都合のよろしいお時間をご教示いただけますと幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
――――――――――
△△株式会社
氏名
電話番号 / メールアドレス
③ 取引先の専門担当者を紹介してもらった場合
件名:○○様よりご紹介いただきました△△でございます
○○様
平素より大変お世話になっております。△△株式会社の△△と申します。
□□株式会社の○○様よりご紹介をいただき、ご連絡いたしました。
□□についてご意見を伺いたく存じます。
お忙しいところ恐縮ですが、ご都合のよろしい日時をお知らせいただければ幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
――――――――――
△△株式会社
氏名
電話番号 / メールアドレス
紹介してもらったときのビジネスメール活用まとめ
ビジネスの現場で紹介してもらった後のメールは、第一印象を左右する重要な要素です。上司や身内、社内外といった紹介者の立場や相手との関係性に応じて、適切な表現を選び、相手が安心して返信できるよう配慮することが信頼につながります。
本記事で紹介した基本マナーやシチュエーション別の文例を活用すれば、初めての相手にも失礼のないメールが作成できるでしょう。
紹介してもらった際のメールは、ただ連絡を取るだけでなく、「今後につながる関係を築くための第一歩」です。相手に好印象を持ってもらえるメールを送ることで、その後のやり取りがスムーズになり、ビジネスの機会も広がります。
ここで紹介した文例はそのまま使っても、少し調整して自分の状況に合わせても役立ちます。ぜひ必要な場面に応じてコピペして使いながら、自分らしい表現にアレンジしてください。
今日から実践できる小さな工夫で、紹介してもらったご縁を確実に次のビジネスにつなげましょう。