業務を進める中で、誰しも一度は「引き受けたくない仕事」に直面することがあります。スケジュールが合わなかったり、専門外の内容だったり、単純にキャパシティを超えていたりと、その理由はさまざまです。しかし、関係性を壊さずに断るには、配慮ある対応が欠かせません。
本記事では、ビジネスシーンで実際に使える断り方を、シチュエーション別のメール例文とともにご紹介します。社内でのやりとりはもちろん、顧客やクライアント、フリーランスとしてのやりとりまで幅広く対応できる内容です。
相手に失礼のない表現を使いながら、誠意を持って断ることができれば、信頼関係を保ったまま次のチャンスにつなげることも可能です。無理に受けて後悔する前に、適切な断り方を身につけておくことが、ビジネスでの安定した関係づくりにつながります。
- 引き受けたくない仕事を丁寧に断る方法
- ビジネスメールでの適切な断り方
- 相手との関係を保つ表現や工夫
- 実際に使えるシチュエーション別の例文
引き受けたくない仕事の断り方と例文まとめ
●顧客からの依頼を断るときの例文
●フリーランスが断るときのメール例文
●メールでの断り方の基本パターン
●ビジネスメールでの柔らかい言い回し例文
社内で引き受けたくない仕事を断る例文
社内での依頼は断りづらいと感じる方が多いですが、関係性を保ちながら丁寧に断ることは可能です。まずは感謝を示したうえで、引き受けられない理由を明確にし、必要に応じて代替案を添えましょう。
【例文①】業務量がすでに限界で断る場合
件名:業務ご依頼について
〇〇様
お世話になっております。△△です。
このたびの業務ご依頼、誠にありがとうございます。
大変恐縮ですが、現在すでに複数の案件を進行しており、
スケジュール上、品質を保って対応することが難しい状況です。
〇月以降であれば、再度ご相談可能かと存じます。
ご迷惑をおかけし恐縮ですが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
【例文②】自分の担当外業務をやんわり断る場合
件名:業務内容に関する確認とご相談
〇〇様
お世話になっております。△△です。
本日お声がけいただいた件につきまして、ありがとうございます。
恐れ入りますが、ご依頼内容は現在の私の担当範囲外であり、
即時の対応が難しい状況です。
該当業務に詳しい□□さんであれば、スムーズに対応いただけるかと思います。
お手数ですが、ご検討いただけましたら幸いです。
【例文③】得意ではない業務内容を避けたい場合
件名:業務のご相談について
〇〇様
お世話になっております。△△です。
このたびはお声がけいただき、誠にありがとうございます。
恐縮ながら、今回のご依頼内容は私自身が得意とする分野ではなく、
ご期待に沿えない可能性があると判断しております。
別の業務であればお力になれるかと思いますので、
引き続きよろしくお願いいたします。
【例文④】短納期案件を断る場合
件名:スケジュールのご相談
〇〇様
お疲れ様です。△△です。
〇〇の件につきまして、お声がけいただきありがとうございます。
現時点では、他の業務との兼ね合いにより、〇日までの対応が難しい状況です。
納期に少し余裕がありましたら、対応可能ですのでご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
【例文⑤】上司からの依頼を丁寧に断る場合
件名:業務調整のご相談
〇〇部長
お疲れ様です。△△です。
先ほどご依頼いただいた件につきまして、ありがとうございます。
現在、〇〇プロジェクトの納期が迫っており、両立させるのが難しい状況です。
〇日以降であれば対応が可能ですが、もしお急ぎでしたら他の方へのご依頼も
ご検討いただけますと幸いです。
ご迷惑をおかけし申し訳ございませんが、ご理解いただけますようお願い申し上げます。
顧客からの依頼を断るときの例文
顧客からの依頼は関係性を意識する必要があり、慎重な言い回しが求められます。断る場合でも誠意をもって対応すれば、信頼を損なわずに済みます。
【例文①】スケジュールが合わない場合
件名:ご依頼の件について
〇〇株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。△△です。
このたびはご依頼いただき、誠にありがとうございます。
大変恐縮ですが、現在すでに複数案件を進行中でして、
ご希望の納期での対応が難しい状況です。
もし納期を〇日以降にご調整いただけるようでしたら、改めて検討可能でございます。
ご期待に添えず申し訳ありませんが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
【例文②】業務範囲外の依頼を断る場合
件名:ご依頼内容についてのご確認
〇〇株式会社
〇〇様
いつもお世話になっております。△△です。
このたびはご相談いただき、ありがとうございます。
ご依頼いただいた件につきましては、当方の業務領域外となっており、
対応が難しい内容となっております。
〇〇分野に強い□□社様をご紹介することも可能ですので、
ご興味があればご案内させていただきます。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
【例文③】専門外の内容で断る場合
件名:ご依頼のご相談
〇〇株式会社
〇〇様
お世話になっております。△△です。
このたびはご依頼ありがとうございます。
ご相談いただいた内容につきましては、当方の専門分野とは異なっており、
十分なクオリティを担保することが難しいと判断いたしました。
大変心苦しいのですが、今回はお引き受けを見送らせていただければと存じます。
他案件でお力添えできることがございましたら、引き続きよろしくお願いいたします。
【例文④】金額や条件が折り合わない場合
件名:ご提案内容について
〇〇株式会社
〇〇様
いつもお世話になっております。△△です。
このたびはご提案いただき、誠にありがとうございました。
ご提示いただいた条件について社内で検討を重ねましたが、
現時点では対応が難しいとの結論に至りました。
大変申し訳ございませんが、今回は見送らせていただけますと幸いです。
また機会がございましたら、ぜひお声かけいただけますようお願いいたします。
【例文⑤】継続案件中に追加作業を断る場合
件名:追加業務についてのご相談
〇〇株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。△△です。
現在進行中のプロジェクトに関連して追加業務をご依頼いただき、
誠にありがとうございます。
しかしながら、現契約範囲を超える内容となっており、
現在のスケジュールでは新たな作業に対応することが難しい状況です。
〇月以降であればご対応可能な見込みですので、別途ご相談させていただければと存じます。
今後とも変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
フリーランスが断るときのメール例文
フリーランスにとって、仕事を断ることは将来の案件にも影響するため、慎重さが求められます。ただし、自身の専門外やキャパオーバーの仕事を安易に引き受けると、信頼を失う結果にもなりかねません。
【例文①】スケジュールが埋まっていて対応できない場合
件名:ご依頼の件について
〇〇様
いつもお世話になっております。フリーランスの△△です。
このたびはお声がけいただき誠にありがとうございます。
大変恐縮ですが、現在スケジュールが立て込んでおり、
〇〇様のご希望納期での対応が難しい状況です。
〇月以降であればご対応可能な可能性がございますので、
時期を調整いただけるようであれば改めてご相談いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
【例文②】得意分野ではない依頼を断る場合
件名:お仕事のご依頼について
〇〇様
いつもお世話になっております。△△です。
このたびはご相談をいただき、誠にありがとうございます。
ご提案いただいた内容について検討させていただきましたが、
私の専門外の領域となっており、満足いただける成果物をご提供することが
難しいと判断いたしました。
恐縮ですが、今回はお引き受けを見送らせていただければと存じます。
また別件でお力になれることがございましたら、ぜひお声がけくださいませ。
【例文③】条件・報酬が合わない場合
件名:案件のご相談について
〇〇様
いつも大変お世話になっております。△△です。
このたびは案件のご提案をいただき、誠にありがとうございます。
内容を拝見し検討させていただきましたが、今回は提示いただいたご予算と作業ボリュームのバランスが難しく、
お引き受けが難しい状況です。
またご条件等が変更となる場合には、改めてご相談いただけますと幸いです。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
【例文④】既存クライアントとの契約を優先したい場合
件名:ご依頼に関するご回答
〇〇様
お世話になっております。△△です。
このたびは新たなお仕事のご相談をいただき、ありがとうございます。
現在、継続案件を複数進行しており、新規でのご依頼をお引き受けすることが
難しい状況です。
ご期待に沿えず誠に恐縮ではございますが、
何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。
またご縁がございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
【例文⑤】方針や価値観が合わないと感じた場合(やんわりと断る)
件名:案件ご提案へのご返信
〇〇様
お世話になっております。△△です。
ご提案いただいた件につきまして、丁寧なご説明をありがとうございました。
大変魅力的なお話ではございますが、今回は内容や方向性を慎重に検討した結果、
私の活動方針とは少し異なると感じましたため、辞退させていただければと存じます。
また機会がございましたら、ぜひご一緒できれば幸いです。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
このように、断る理由を明確に伝えつつ、代替案として他の専門家を紹介することで、誠実な印象を与えることができます。案件とのミスマッチを正直に伝えることは、信頼を守る手段でもあります。
メールでの断り方の基本パターン
メールで仕事を断る際は、相手に不快感を与えないよう、丁寧かつ誠実な姿勢が必要です。ポイントは、冒頭の挨拶、感謝の表現、断る理由の明示、代替案の提示、そして締めくくりの言葉までを一連の流れで整えることです。
以下が基本的なパターンになります。
- 件名
例:「〇〇のご依頼について(ご返答)」 - 挨拶と感謝
「いつもお世話になっております。〇〇株式会社の△△です。このたびはお声掛けいただき、誠にありがとうございます。」 - 断る理由の説明
「ご相談いただいた件ですが、現在の業務状況を考慮した結果、スケジュール上、対応が難しいと判断いたしました。」 - 代替案や今後への配慮
「〇日以降であれば調整可能です。また、〇〇の分野であればご協力可能な部分もございますので、お力になれる範囲でご相談いただけますと幸いです。」 - 締めの一文
「このようなご連絡となり恐縮ですが、今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。」
この構成を押さえておけば、様々な状況でも応用が可能です。ただし、状況に応じて「代替案」や「お詫び」の部分は加減してください。単に断るだけでなく、相手への敬意や配慮を込めることが信頼維持の鍵です。
ビジネスメールでの柔らかい言い回し例文
ビジネスメールでは、「断る」という行為そのものが相手にネガティブな印象を与えることがあります。だからこそ、言い回しを工夫して柔らかく伝えることが大切です。
以下に、丁寧で角の立ちにくい言い回しの例文をいくつかご紹介します。
- 「できません」ではなく「難しい」
×「対応できません。」
○「現在の状況では対応が難しい状況です。」 - 「無理です」ではなく「ご期待に添えず」
×「無理です。」
○「ご期待に添えず誠に申し訳ございません。」 - 「断ります」ではなく「辞退いたします」
×「お断りいたします。」
○「恐縮ですが、今回は辞退させていただきたく存じます。」 - 「興味がありません」ではなく「現時点では見送り」
×「興味がないので見送ります。」
○「誠にありがたいお話ではございますが、現時点では見送らせていただきます。」 - 「やりたくありません」ではなく「対応が難しいと判断」
×「やりたくないのでお受けできません。」
○「検討いたしましたが、対応が難しいと判断いたしました。」
このような言い換えは、相手に配慮している姿勢を伝える効果があります。伝える内容が同じでも、語調が柔らかいと受け手の印象が大きく変わります。特に取引先や上司に対しては、この工夫が信頼関係の維持に役立ちます。
引き受けたくない仕事を断るメール例文集
●上司への断り方とメールの例文
●新人が仕事を断るときの注意点と例文
●相手との関係を維持する断り方のポイント
業種別でのお断り例文
業種別で断るときに使えるメールの例文を、一般的なビジネスシーンの5つの状況別でご紹介します。
あまり業種に関係なく応用しやすい内容にしていますので、メールやチャットツールでもそのままご活用いただけます。
【例文①】飲食業:急なイベント依頼を断る場合
件名:イベント出店のご依頼について
〇〇様
平素より大変お世話になっております。〇〇店の△△です。
このたびは、イベント出店についてお声がけいただき誠にありがとうございます。
せっかくのご依頼ではございますが、当日はすでに他の業務が入っており、
対応が難しい状況でございます。
ご期待に沿えず申し訳ありませんが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
【例文②】教育業:保護者からの追加指導要望を断る場合
件名:追加指導に関するご相談の件
〇〇様
いつもお世話になっております。△△学習塾の△△です。
このたびは追加指導のご相談をいただき、誠にありがとうございます。
大変恐縮ではございますが、現在他の生徒様とのスケジュールが重なっており、
新たな指導時間の確保が難しい状況です。
別の曜日での調整や、担当講師の変更をご検討いただけましたら幸いです。
ご理解のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
【例文③】製造業:納期に関する要望を断る場合
件名:ご依頼の納期について
〇〇株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。△△製作所の△△です。
ご依頼いただいた件について、納期短縮のご希望をいただきありがとうございます。
社内で検討いたしましたが、品質保持と工程の都合により、
当初ご提示した納期より前倒しするのは難しい状況です。
ご期待に沿えず誠に申し訳ございませんが、
何卒ご了承いただけますようお願い申し上げます。
【例文④】小売業:値引き交渉を断る場合
件名:お見積もりに関するご連絡
〇〇様
いつもお世話になっております。△△ショップの△△でございます。
このたびはお見積もりについてご相談いただき、誠にありがとうございます。
恐縮ではございますが、現在ご提示している価格は原材料や仕入れ価格を踏まえた最終価格となっており、
これ以上のお値引きは難しい状況でございます。
何卒ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
【例文⑤】医療・福祉業:予約変更が難しい場合
件名:ご予約変更のご希望について
〇〇様
お世話になっております。△△クリニックの受付△△です。
このたびはご予約の変更についてご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
ご希望の日時について確認いたしましたが、あいにくすでに予約が埋まっており、
対応が難しい状況です。
他の空き枠をご案内いたしますので、ご都合の合う日時がございましたら
お知らせくださいませ。
何卒よろしくお願いいたします。
【例文⑥】美容師:営業時間外の施術依頼を断る場合
件名:ご予約に関するご連絡
〇〇様
いつもご来店いただき誠にありがとうございます。△△サロンの△△です。
このたびはご予約についてお問い合わせいただきありがとうございます。
大変恐縮ですが、ご希望いただいた時間帯は営業時間外となっており、
対応が難しい状況です。
お手数ですが、別の日時をご検討いただけますと幸いです。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
【例文⑦】士業(税理士・弁護士など):専門外の相談を断る場合
件名:ご相談内容について
〇〇様
いつも大変お世話になっております。△△事務所の△△です。
このたびはご相談のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
ご依頼いただいた内容につきましては、当方の専門外の領域となるため、
適切な対応が難しい状況です。
信頼できる専門家をご紹介可能ですので、ご希望がありましたらお知らせください。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
【例文⑧】カウンセラー・コーチ業:契約外の追加サポートを断る場合
件名:セッション内容について
〇〇様
お世話になっております。△△カウンセリングルームの△△です。
いつもご相談いただきありがとうございます。
このたびご要望いただいた件につきましては、現在の契約内容に含まれておらず、
現段階では個別対応が難しい状況です。
ご希望であれば追加プランをご案内いたしますので、ご検討いただければ幸いです。
引き続きよろしくお願いいたします。
【例文⑨】イベント企画業:短納期での対応依頼を断る場合
件名:イベント企画のご依頼について
〇〇様
いつもお世話になっております。△△プランニングの△△です。
このたびはイベント企画のご依頼をいただき誠にありがとうございます。
ご希望のスケジュールを確認いたしましたが、準備期間が非常に短いため、
現実的に品質を確保した上での実施が難しいと判断しております。
大変恐縮ではございますが、今回はお引き受けを見送らせていただけますと幸いです。
【例文⑩】不動産業:無理な家賃交渉を断る場合
件名:賃貸条件のご相談について
〇〇様
いつもお世話になっております。△△不動産の△△です。
このたびは賃貸条件についてご相談いただき、ありがとうございます。
誠に申し訳ございませんが、家主様と確認の上、
現在ご提示している家賃はこれ以上の調整が難しいとの回答をいただいております。
ご期待に沿えず恐縮ではございますが、何卒ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。
上司への断り方とメールの例文
上司からの依頼は断りづらいものですが、自分の業務状況を冷静に伝えれば、むしろ信頼を得られることもあります。大切なのは、感情的ではなく事実に基づいて説明することです。
【例文①】スケジュールが重なっている場合
件名:業務のご依頼について
〇〇部長
お疲れ様です。△△です。
本日ご依頼いただいた件につきまして、ありがとうございます。
大変恐縮ですが、現在〇〇案件の納期が迫っており、
今新たに業務を追加することが難しい状況です。
もし優先順位をご調整いただけるようであれば、
改めてご相談させていただけますと幸いです。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
【例文②】他の人が適任と考えられる場合
件名:業務ご依頼の件
〇〇課長
いつもお世話になっております。△△です。
ご相談いただいた件ですが、内容を拝見したところ、
〇〇業務により精通している□□さんのほうが、よりスムーズに対応可能かと存じます。
私でも対応は可能ですが、念のため適任の方へのご相談もご一考いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
【例文③】専門外の業務を頼まれた場合
件名:ご依頼の件について
〇〇部長
お世話になっております。△△です。
ご依頼いただきました〇〇の件につきまして、確認させていただいたところ、
私の専門外の分野にあたり、十分な品質で仕上げられない可能性がございます。
クオリティを保つ観点からも、該当分野に強い□□さんにご相談いただけると
より良い結果につながるかと存じます。
ご期待に添えず恐縮ですが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
【例文④】時間外の業務を断る場合(やんわり)
件名:業務対応についてのお願い
〇〇課長
お疲れ様です。△△です。
本日ご相談いただいた追加業務につきまして、ご連絡ありがとうございます。
恐縮ですが、家庭の事情により本日は定時後の勤務が難しくなっております。
明日であれば時間を確保できますので、ご都合が合えばそちらで対応させていただければ幸いです。
ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。
【例文⑤】内容に不安がある場合(クオリティ重視の断り方)
件名:業務のご相談について
〇〇部長
いつもお世話になっております。△△です。
先ほどのご依頼の件、承知いたしました。
内容を確認したうえで恐縮ですが、現状の知識や経験では
ご期待に沿える成果を出せない可能性があり、不安が残ります。
より適した方法や別の担当者についてご相談させていただければと存じます。
ご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
このように、現状の業務量を共有し、可能な範囲や時期を具体的に示すことで、建設的なやりとりができます。断ること自体がマイナスにはならず、状況を正しく判断できる姿勢として評価される場合もあります。
新人が仕事を断るときの注意点と例文
新人が仕事を断る際には、断り方を間違えると「やる気がない」「協調性がない」と受け取られてしまうおそれがあります。そのため、伝え方には慎重さが求められます。
まずは、依頼を受けたことに対して感謝を伝えることが基本です。そのうえで、自分の状況や理由を客観的に説明し、代替策や意欲を見せるひと言を加えることで、前向きな印象を残すことができます。
【例文①】業務の優先順位を確認したいとき
件名:業務の優先順位についてご相談です
〇〇さん
お疲れ様です。△△です。
本日ご依頼いただいた〇〇の件ですが、現在、□□の業務が今週中の納期となっており、
作業時間の確保が難しい状況です。
優先順位のご判断をいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
【例文②】初めての業務で不安があるとき
件名:ご依頼いただいた業務について
〇〇さん
いつもご指導ありがとうございます。△△です。
本日ご依頼いただいた〇〇の件につきまして、内容を確認いたしましたが、
私にとって初めての業務であり、進め方に不安があります。
もし可能であれば、進行前に簡単なご説明や確認の機会をいただけますと安心して取り組めます。
お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。
【例文③】体調がすぐれないときのやんわりとした断り方
件名:業務についてのご相談
〇〇さん
お疲れ様です。△△です。
ご依頼いただいた〇〇の件ですが、実は本日少々体調が優れず、
集中力を保つことが難しい状況です。
可能であれば明日の対応とさせていただくか、
他の方にご相談いただくことはできますでしょうか。
ご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
【例文④】すでに他の業務を抱えている場合
件名:業務量についてのご相談
〇〇さん
お世話になっております。△△です。
〇〇の件、ありがとうございます。
現在、□□と△△の案件を同時進行しており、
新たにご依頼いただいた業務をすぐに進めるのが難しい状況です。
完了予定が〇〇日頃になる見込みですが、
急ぎの場合は別の方へご依頼いただくことも検討いただけますと幸いです。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
【例文⑤】苦手な業務に関する相談型の断り方
件名:業務内容についてのご相談です
〇〇さん
いつもご指導いただきありがとうございます。△△です。
ご依頼いただいた〇〇の件につきまして、自身の中で苦手意識があり、
成果物のクオリティに不安を感じております。
ご相談させていただきたいのですが、他の方で対応された方が確実かもしれません。
どう対応すべきか、ご指示いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
新人の場合は「断る」というよりも、相談や確認の形をとるほうが印象が良く、角も立ちにくくなります。経験が浅いことを理由にせず、現在の状況と学ぶ姿勢を伝えることで、印象を下げずに断ることが可能です。
相手との関係を維持する断り方のポイント
ビジネスでは、断ったあとの関係性がその後のやりとりに大きく影響します。だからこそ、断るときは内容だけでなく、伝え方の工夫が求められます。
最も重要なのは、相手の立場を尊重する姿勢を見せることです。断る際も感謝やお詫びの言葉を忘れずに添えましょう。また、代替案や協力できる範囲を伝えることで、前向きな印象を残すことができます。
例えば、「せっかくのお話ですが、現在の状況では…」「〇〇様のご期待に沿いたいところなのですが…」といった表現は、相手への敬意を伝えるのに効果的です。
また、「また別の機会にぜひお声がけいただければ幸いです」「○月以降であれば対応が可能です」と伝えておくと、今後のやりとりにもつながりやすくなります。
断ることはマイナスではありません。むしろ、誠実な伝え方を心がけることで、信頼を深めるきっかけにもなります。相手の立場に配慮しつつ、自分の意思をしっかり伝えることが、関係維持の鍵となります。
引き受けたくない仕事の断り方と例文まとめ
引き受けたくない仕事を断る際には、「断り方」そのものに工夫が必要です。相手との関係を壊さずに断るには、丁寧な言葉選びと理由の明確化が重要です。「例文」を活用することで、シチュエーションごとの対応がスムーズになります。
「社内」であれば、感謝の気持ちとともに業務量や専門外である点を正直に伝え、代替案を添えることで納得感を生むことができます。「顧客」対応では、誠意をもって状況を説明し、信頼関係を損なわない表現が求められます。また「フリーランス」としての断り方では、今後の取引を意識しつつ、自身の立場や状況を丁寧に共有する姿勢が鍵です。
メールでの断り方は、基本構成を押さえることでどの業種でも応用が可能です。感謝→理由→代替案→締めの流れを意識しましょう。ビジネスでは、断ること自体よりもその伝え方が信頼の分かれ目になります。丁寧な言い回しや敬意を表す表現で、前向きな関係維持を目指すことが大切です。